ふと、暖かいところに行きたいと思った。

チキンジョージでの一世一代のイベントをあと3週間ほどに控えた頃。金額が大き過ぎて、責任が重すぎて、もし病気になったら、事故にあったら、コロナに罹ったら、と考え出したら恐ろしくて怖くて。

全部終わったら、どこかへひとりで行こう、と夜中に閃いて、なんとなく石垣島を選んで予約した。

暖かくて、行ったことのない場所へ。

特に何も決めず、その場その場でスマートフォンで検索しつつの行き当たりばったり。予約したのは飛行機とホテルだけ。2日目の夕食の店は、石垣島通の友人が予約してくれた。

正月だし、開いてない店もきっと多いだろう。美味しそう、行こう、と思ったところに行けばいい。

初日。前日に飛行機の時間をチェック。あれ、割と早朝に移動しなければ。神戸空港から那覇へ。那覇から石垣島へ。バスに乗り離島ターミナルへ。徒歩でホテルへ。暖かい風が心地よくて、脱いで行けるように薄い上着をたくさん重ねて着ていたのを一枚ずつはいでいく。

とりあえずビール飲みたい。ランチも食べてない。チェックインする前に、目に止まったクラフトビールの店に入る。壁面に緑。心地良いな。充電していいですか?って聞いた時のウエイトレスの対応がとってもキュート。こういうの、好き。ホテルはシングルがいっぱいとのことで、ツインにしてもらえてラッキー。

さて、街へ。そんなに大きな街ではないみたい。ぶらぶらと散策。スーパーマーケットに行きたいなと思い付き、15分ほど歩く。地元食材を買い込み、タクシーを呼んだら空車がいない。まあいっか。歩こう。

いつも行列が出来ているらしい八重山そばのお店が空いていたので入る。ビールとそば。美味しい。普段から厨房が覗けるカウンターが好きなんだけど、ひとりだとカウンター率が高くて嬉しい。店側からしたらおひとり様だけど、客側には、お、も、様、も要らないよね。とか思いつつ。毒舌ハルヨ。

部屋に戻って地ビール飲んで休憩。1時間ほど寝て、再び街へ。明日は肉だから、今日は魚が食べたい。刺身盛り合わせと島らっきょうの天ぷらと白百合とビール。

おやすみなさい。

2日目。竹富島に行こう。しっかり眠って、準備して離島ターミナルへ。ちょうど出航の5分前。往復でチケットを買って、フェリーへ。15分ほど。水牛車ツアーの車がずらり。一番前に停まってたところに申し込む。一番前ということは、一番老舗?力があるんじゃないかと。知らんけど。1500円。安いなあ。10名程で水牛とおじいの待つ集落へ。

どんなガイドおじいに当たるかで、楽しさと満足度は変わるだろうなと思う。私は大満足。水牛の梅吉は素晴らしい内輪差ワークを見せてくれ、両方の自然現象も披露してくれた。和んだ。おじいの自由な安里屋ユンタは味があってとっても良かった。曲のモデルになった美女の生家も見た。おじいと写真を撮って、お腹が空いたので店を探す。人気のところはすごい行列。空いてるところを探して座る。暑い。25度くらいあるかも。

もずくそばとビール。ふと見ると、八重山そば選手権で一位だって。美味しい。店員の彼女が日舞の知り合いに似てるなあ。西桟橋まで歩く。テーマパークのように余計なものがなるたけ排除された集落は本当に美しい。

途中、牛がいたり、バナナの花がぶら下がってたり、熱帯の植物が左右に生えていたり。ブーゲンビリアも。ここはバンガロールなの?ゴアなの?と錯覚しそう。屋根も赤いし。

西桟橋は水が澄んでいてエメラルドグリーンで美しかった。その後、コンドイビーチとカイジビーチの分岐点まで歩いて、うーんこっち!と星の砂のカイジビーチへ。はらはらと降ってくる雨も心地良い。ひとりでビーチにあったブランコに乗ると、ちょっとかわいそうな目で見られた気がするのは、きっと気のせい。

帰りのバスを電話で予約し、ビーチで1時間ほど過ごす。星の砂は見つからないので300円でストラップを買う。ビーチクリーンに役立てばいいな、なんて思いつつ。

すこし遅れてバス到着。港へ。フェリーに乗り、石垣島へ。ホテルに戻り昼寝。ビール2本飲んでから。よく歩くからよく寝る、よく飲む。少し早めに出て、お土産を少しだけ買う。友人が予約してくれた店で美味しく夕食を食べ、ホテルへ。早めに眠くなる。早く寝たから夜中に目覚めてこの記事を書いている。

この写真、我ながらいい顔してる。

ひとりは孤独だけど、孤独を楽しめるくらいの大人になれたなあって思う。インターネットがあったらすぐ繋がれるものね。全然孤独ではなかった。なんだかとても楽しかったひとり旅。

行き当たりばったりひとり旅、終わり。

読んでくれてありがとう。

今日神戸に帰ります。