超引っ込み思案だった幼稚園から小学生の頃。
背が高い、というか他の子たちよりも大柄。
既成のサイズでは入らず、制服も帽子も特注だった。
そんなに大きいのかと幼心に悲しかった。
母の手によっておかっぱに切られた髪型はちっともかわいくなくて、自分に一ミリも自信がなかった。
友達を作るのが苦手で輪に入ることができず、ひとり自分の世界に入り込み本を読むのが好きだった。
父が買ってくれた、ハードカバーで赤い背表紙の世界物語全集が友達だった。
自分の世界に逃げ込むことしかできなかった、の方が正解かもしれない。
幼稚園の頃の出来事で鮮明に覚えている場面がある。
みんなが木製の大きな積み木で遊んでいる。
仲間に入れない私。
ひとりぽつんと積み木に腰かけて誰かが声をかけてくれるのを待っている。
でもいつまでもひとり。
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